占星術は万能ではない

最初から自分のやってることを否定するようなタイトルにしてしまいましたが、結局は姿勢の話です。

さて、占星術は学べば学ぶほど、その素晴らしさに感動し、何でも占ってみたくなるものです。
「来年の大学受験には合格しますか」「●●さんと恋人同士になれますか」などなど。もちろん、技術向上のために他人を鑑定するのはよいことだし、すべてを否定するわけではないのだけれど。
正直、中には自分の力量を超えた質問を受けている方がいらっしゃるような気がするのですよね。

個人的に、私は「これは占いの領域ではない」と思っている事柄がいくつかあって、その一つが「人の生死」にかかわることです。

一般的に「人の死期を占うこと」というのは有名なタブーだけれど、そのほかの禁忌事項は人によって違うので、ほかに「ギャンブルに関係することは占いません」とか「公序良俗にふれるような事柄は占いません」(←これって個人的にはものすごーく当たり前のことだと思うんだけれど、ちゃんと書かないと持ち込んでくる人が多いってことなのかなあ…と、サイトに書いてある人をみると、いつももやっとした気分になる)
話を元に戻すと、私の場合。
例えわかったとしても「人の死期、妊娠・出産」について鑑定しない、と決めています。
人の生死はもう人知を超えた領域で、とても私ごとき一介の占星術家がかかわっていいような領域ではないと思っているからです。
もちろん、人の死期、妊娠の時期などを読むやり方は知っているし、星は確かに何でも教えてくれるかもしれない。巷では妊娠をメインにした占星術家もいる人も知っています。(それだけ需要があるんでしょうね)

けれど、星は「教えてくれる」けど「何かしてくれる」わけではないのですよ。
だから、結果をどう受け止めどう生かしていくかは個人にゆだねられている。
だからこそ、その結果を伝える占星家の技量もものすごく問われるのですが。

で、悲しいかな、現代の医学では生物学的に妊娠・出産にはまだまだタイムリミットがあり、ご夫婦の仲が良ければできるってものでもない。
妊娠というのは、本来「神様の」のようなものなのだと私は思っています。
そして、占いにやってきてまで妊娠の相談をする夫婦の中には、とても切実で、それこそ一縷の望みをかけてこられるお客様がいらっしゃる。
こういった、仮に妊娠を強く切望しているご夫婦がいて、その夫婦に「不妊」の結果がでたらどうするのか。(ちゃんと占星術では「妊娠が難しいチャート」ってあるのですよ。もちろんそれは意味があってそういうチャートが出ているんだろうれど)
自分は冷静に相手にそれを告げられるだろうか、そしてその結果を受け止めきれるようにしっかり相手をケアできるだろうか、と考えるとまだ自分は早いな、と思ってしまうのですね。

普段割とポンポン話すし、シャープな言葉を使ってしまうほうだけれど(火星水星オポジションだからね)根は小心者なのですよ(笑)

占いを学び始めたころは周りの人に声をかけ、なんでも占ってあげたくなるものだけれど。こういう、自分の力量を超えた質問にNO!ということも占星術家として、セラピストとして正しい姿勢ではないだろうかと思います。

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